「社内にマーケティングの担当者がいないので、まとめて外注先に任せたい」
「広告も展示会も外に頼んでいるけれど、費用に見合っているのか判断できない」
BtoBのマーケティングを外注するかどうかは、専任の担当者がいない企業ほど早い段階で向き合うテーマです。外注すれば人手の足りなさはすぐに補えますが、何を外に出し、何を社内に残すかを決めないまま任せると、続けるほど自社で判断できない状態になりがちです。
マーケティングの人がいないなら、広告も展示会も記事も、全部まとめて外注先にお願いすればいいんですよね?
外に頼むこと自体はいいの。ただ、全部を丸投げすると会社に力が残らないし、うまくいっているのかも分からなくなるのよ。
この記事では、Yutori TechがBtoB・製造業の企業を支援する中で見てきたことをもとに、BtoBマーケティング全体(広告・展示会・MA・記事)のうち、どこを外注し、何を社内に残すかと、外注先の選び方、丸投げから伴走に切り替えたときに起きる変化を解説します。
- 丸投げの外注は、社内に力が残らず、成果が正しいかも評価できないため依存しやすい
- 作業の多くは外に出せるが、「一次情報を盛り込むこと」と「最低限の数字を見ること」は社内に残す
- 安さだけで外注先を選ぶと、施策のペースが遅い・できることが限られるといった後悔につながりやすい
- 伴走に切り替えると、徐々に内製化へ進み、やるほど費用対効果が良くなり、投資の効果も測りやすくなる
BtoBマーケティングの外注とは?任せられる主な範囲
BtoBマーケティングの外注とは、企業向けの商品やサービスの見込み客を集め、商談につなげるまでの施策の一部または全部を、社外の会社に任せることです。任せられる範囲は広く、主に次のような施策があります。
- 広告運用(検索広告やSNS広告などの配信・調整)
- 展示会への出展(ブースや配布物の制作、出展の準備)
- MA(マーケティングオートメーション:見込み客へのメール配信などを仕組みで自動化するツール)の設定・運用
- コンテンツ(記事・導入事例・資料)の制作と、検索で見つけてもらうためのSEO
- 数字の集計と、施策の改善案づくり
これらを1社にまとめて任せることも、施策ごとに別々の会社に頼むこともできます。どちらの形でも大切なのは、施策を選ぶ前に「社内に何を残すか」を決めておくことです。
なお、記事・事例・資料をどう組み合わせて問い合わせにつなげるかは、BtoBのコンテンツマーケティングとは?記事・事例・資料を組み合わせて問い合わせにつなげる方法で紹介しています。この記事では、マーケティング全体の中で「誰が何を担うか」を扱います。
丸投げの外注で起きやすいこと
マーケティングの担当者がいない会社ほど、施策をまるごと外注先に任せたくなります。しかし弊社の見てきた中では、全部を丸投げした場合に次の2つが起きやすいと感じています。
自分たちの会社に力が残らない
企画から実行、振り返りまでをすべて外注先が行うと、施策は回っていても、社内には「なぜその施策を選んだのか」「何が効いたのか」という知識が残りません。契約を終えた時点で、マーケティングの力もいっしょに外へ出ていってしまいます。
正しいかどうかを評価できず、依存してしまう
もう一つは、外注先の進め方が正しいのかを、社内で評価できなくなることです。報告を受けても良し悪しを判断できなければ、続けるか見直すかも決められず、外注先に頼り続けるしかない状態になります。SEOに限った外注でも同じことが起きやすく、詳しくはSEOは外注すべき?判断の順番と、社内に残す作業・人やAIに任せる作業で解説しています。
毎月レポートは届くのに、それが良い結果なのか自分では分からない…というのが、まさに今の状態です。
それが依存の入り口なのよね。全部を自分でやらなくてもいいから、判断に必要なところだけは社内に持っておきたいの。
どこを外に出し、何を社内に残すか
では、何を外に出し、何を社内に残せばよいのでしょうか。弊社では、施策ごとに作業を分けたうえで、どの施策でも社内に残すものは2つと考えています。
| 施策 | 外に任せやすい作業 | 社内に残したい作業 |
|---|---|---|
| 広告運用 | 配信の設定、入札・予算の調整 | 広告文に入れる自社の強みや事例を伝えること、問い合わせ数と費用の確認 |
| 展示会 | ブース・パネル・配布物の制作 | 来場者から聞いた悩みを残しておくこと、その後の商談につながった数の確認 |
| MA・メール配信 | ツールの初期設定、配信の仕組みづくり | 配信する内容に自社の話を入れること、反応の数字の確認 |
| 記事(SEO) | 構成・下書き、改善案の立案 | 記事に一次情報を盛り込むこと、検索からのアクセスの確認 |
社内に残すもの1:一次情報を盛り込む作業
まず、一次情報を記事などに盛り込む作業は、必ず自社で行う必要があると考えています。一次情報とは、自社で実際に経験したことや、お客様から聞いた話、自社にしかない数字などのことです。
文章の下書きや広告の配信設定は外に任せられても、「自社のお客様が何に困っていたか」「どんな工夫で解決したか」を知っているのは社内の人だけです。外注先がどれだけ上手に書いても、この材料がなければどの会社にも当てはまる内容になってしまいます。記事づくりでの具体的な分担は、オウンドメディアの外注はどこまで任せる?社内に残す作業と失敗しない分担のコツで紹介しています。
社内に残すもの2:最低限の数字を見るスキル
もう一つは、最低限の数字を見るスキルです。専門家のような分析までは必要ありません。基本的には、次の2つを見られれば十分だと考えています。
- SEOの成果を見るなら、Googleサーチコンソール(検索での表示回数やクリック数がわかる無償のツール)
- サイト全体の成果を見るなら、Googleアナリティクス(サイトに来た人の数や動きがわかるツール)
見るのは、アクセス数の増減と、アクセスの遷移(どのページから来て、どのページへ進んだか)が中心です。これが分かるだけで、外注先の報告を自分たちの目で確かめられるようになります。定例で実際に見ている数字は、SEOの効果測定は何を見る?定例で確認している指標と問い合わせ数の確かめ方にまとめています。
\ 広告も記事も外に頼んでいて、社内に何も残っていないと感じる方へ /
外注・内製・伴走のどれを選ぶか、社内に残す作業をどう決めるか。
判断の材料を資料にまとめています。
外注先を「安さ」で選んで後悔しやすい理由
外注先を選ぶとき、費用の安さを一番の基準にしたくなるかもしれません。しかし、安い会社を選んで後悔したという話は少なくありません。安いのには理由があることが多いからです。
- 施策のペースが遅く、改善が進むまでに時間がかかる
- 対応できることが限られていて、必要な作業を頼めない
特にSEOは、細かく地道なリライト(公開済みの記事の手直し)を積み上げて、初めて数字になる世界です。施策のペースが遅いと、それだけ成果が出るまでの時間も延びてしまいます。リライトの進め方はSEOのリライトとは?効果が出る記事の選び方と、順位が下がったときの判断基準で紹介しています。
そのため弊社では、費用を抑えることを優先するよりも、初期投資として最初にしっかりかけ、早めに切り上げられる進め方のほうが理想的だと考えています。2年、3年とずっと外部に伴走してもらい続けるのではなく、社内に力がついた段階で外部の手を離せる計画にしておくということです。
費用の目安は【2026年最新】SEO対策の費用相場|月額・記事単価の目安と「損しない」料金の見極め方、外注先を比べるときの基準はSEOコンサルの選び方|失敗しないための5つの基準と注意点で詳しく紹介しています。
月々の費用が安いほうが、長く続けられていいと思っていました。
長く続けること自体が目的になると、いつまでも外に頼ることになるのよ。最初にしっかりかけて、早く自分たちで回せるようになるほうが、結果的に負担は軽くなりやすいわ。
外注から伴走に切り替えると何が変わるか
伴走とは、外部の会社が作業を代わりに行うだけでなく、社内の担当者といっしょに進めながら、やり方を社内に移していく支援の形です。丸投げの外注から伴走に切り替えた会社では、次のような変化が起きると考えています。
徐々に内製化に向かって進めるようになる
伴走では、外部の担当者と社内の担当者が同じ作業を分担しながら進めます。そのため、続けるほど社内でできることが増え、方向としては内製化に向かって進んでいくことができます。
やればやるほど費用対効果が良くなっていく
社内でできることが増えれば、外に頼む作業は少しずつ減っていきます。丸投げでは続けるほど費用がかかり続けますが、伴走ではやればやるほど費用対効果が徐々に良くなっていくのが大きな違いです。
うまくいっているかが分かりやすくなる
社内の担当者が数字を見ながら施策に関わるため、うまくいっているかどうかが分かりやすくなります。つまり、投資の効果を測定しやすくなるという変化です。経営者に効果を説明するときの考え方は、オウンドメディアの費用対効果はどう測る?経営者に見せる計算式と撤退の判断基準が参考になります。
よくあるご質問
BtoBマーケティングは、全部まとめて外注してもよいですか?
作業の多くは外に任せられます。ただ、全部を丸投げすると社内に力が残らず、成果が正しいかも評価できなくなりやすいため、一次情報を盛り込む作業と、最低限の数字を見ることは社内に残すことをおすすめしています。
外注しても社内に残したい作業は何ですか?
弊社では、自社の経験やお客様の声といった一次情報を盛り込む作業と、サーチコンソールやアナリティクスでアクセス数の増減・遷移を見るスキルの2つを挙げています。
外注先は費用の安さで選んでもよいですか?
安さだけで選ぶと、施策のペースが遅い、対応できることが限られるといった理由で後悔することがあります。特にSEOは地道なリライトの積み上げで成果が出るため、初期にしっかり投資し、早めに切り上げられる進め方のほうが理想的だと考えています。
外注と伴走は何が違いますか?
外注は作業を代わりに行ってもらう形で、伴走は社内の担当者といっしょに進めながら、やり方を社内に移していく形です。伴走では徐々に内製化に向かうため、続けるほど費用対効果が良くなり、投資の効果も測りやすくなります。
伴走支援は、どのくらいの期間続ければよいですか?
期間は会社によって異なりますが、2年、3年とずっと続けるよりも、社内に力がついた段階で早めに切り上げられる計画にしておくのが理想だと考えています。
まとめ:外注するかより先に、社内に残すものを決める
BtoBマーケティングの外注は、マーケティングの担当者がいない会社にとって有効な手段です。ただ、全部を丸投げすると、社内に力が残らず、成果を評価できないまま外注先に依存しやすくなります。広告・展示会・MA・記事の作業は外に出しつつ、一次情報を盛り込むことと数字を見ることを社内に残し、早めに自分たちで回せる状態をめざすことが、費用対効果を高める近道です。
- 丸投げの外注は、社内に力が残らず、評価できないまま依存しやすい
- どの施策でも、一次情報を盛り込む作業と最低限の数字を見るスキルは社内に残す
- 外注先は安さだけで選ばず、初期にしっかりかけて早めに切り上げられる進め方を選ぶ
- 伴走に切り替えると、内製化に向かい、費用対効果が良くなり、投資の効果も測りやすくなる
Yutori Techでは、記事を代わりに書き続けるのではなく、貴社の社内でAIを使ってコラムを作り、公開後の数字まで自分たちで確かめられる体制づくりを伴走で支援しています。







