「オウンドメディアにお金をかけて、本当に元が取れるのか」
「社内の稟議で、費用対効果をどう説明すればいいのか分からない」
オウンドメディアは広告と違い、出稿をやめた瞬間に集客が止まるものではありません。その一方で、成果が出るまでに時間がかかるため、始める前や続けるかどうかを決める場面で「費用対効果」が問われやすい施策です。
社長に「オウンドメディアの費用対効果を説明して」と言われました…。表示回数やクリック率の話をすればいいんでしょうか?
現場ではその数字も大事。でも経営者が知りたいのは「結局、何件受注できて、利益は残るのか」なのよ。見せる数字を分けて考えるのがコツね。
この記事では、Yutori TechがAI×SEOの支援の中で経営者の方に費用対効果を説明するときの考え方をもとに、オウンドメディアの費用対効果を測る計算の流れと、続けるか・撤退するかの判断基準を解説します。
- 費用対効果は「現場の指標」と「経営者に見せる指標」を分けて考える
- 経営者には、問い合わせ件数→受注件数→粗利→ROIの順につなげて見せる
- 記事制作を外注せず、社内でAIを使って書くと、費用の前提そのものが変わる
- 「ニッチだから」「BtoBだから」は撤退の理由にならない。撤退を考えるのは、すでに市場で十分に知られている場合
オウンドメディアの費用対効果は「現場の指標」と「経営の指標」で分けて考える
費用対効果を説明しようとして話がかみ合わない原因の多くは、現場が見ている数字と、経営者が判断に使いたい数字が違うことにあります。
現場目線:CTR・CVR・検索ボリュームでシミュレーションする
現場目線で見るなら、本当はCTR(検索結果でクリックされた割合)、CVR(サイトに来た人のうち問い合わせなどに至った割合)、検索ボリューム(そのキーワードが月に何回検索されるか)といった細かい指標を積み上げて、成果をシミュレーションしていくのが正しい進め方です。
記事ごとの改善点を見つけたり、次に書く記事を決めたりするには、こうした指標が欠かせません。日々の定例でどの数字を確認しているかは、SEOの効果測定は何を見る?定例で確認している指標と問い合わせ数の確かめ方で詳しく紹介しています。
経営者目線:最終的に何件受注し、利益が残るか
一方で、経営者が判断に使いたいのは、検索の細かい指標ではありません。結果として何件問い合わせが来て、そこから何件受注でき、利益が残るのかという、事業の数字につながる流れです。
現場の指標をそのまま並べても、経営者にとっては「それで会社にとって得なのか」が分かりません。経営者に説明するときは、検索の数字を事業の数字に置き換えて見せることが大切です。
経営者に見せる費用対効果の計算式
Yutori Techが経営者の方に費用対効果をお話しするときは、次の順に数字をつなげていきます。
| 段階 | 確かめること | 計算の考え方 |
|---|---|---|
| ① 問い合わせ件数 | オウンドメディア経由で何件の問い合わせが来るか | 記事から問い合わせに至った件数を数える |
| ② 受注件数 | 商談を実施したときの受注率は何%か | 問い合わせ件数 × 受注率 |
| ③ 粗利 | 受注1件あたりの平均的な単価と粗利はいくらか | 受注件数 × 平均単価 × 粗利率 |
| ④ ROI | 最終的に投資した額を上回る利益が残るか | (粗利 − 投資額)÷ 投資額 |
ポイントは、売上ではなく粗利で投資額と比べることです。単価の高い商材であれば、問い合わせの件数が少なくても、1件の受注で投資額を上回ることがあります。逆に単価が低い商材では、必要な問い合わせの件数が多くなります。
受注率や粗利って、営業部や経理に聞かないと分からない数字ですね。SEOの担当だけでは計算できないんだ…。
計算式だけでは見えない「副次的な効果」も伝える
実際にこの計算をしてみると、かなり複雑な式になることが少なくありません。成果が出るまでの期間もあり、計算だけで「やる・やらない」を決めるのは難しいのが実情です。
そこで弊社では、計算式に加えて、数字に出にくい副次的な効果まで含めてお話ししています。今のSEOでは、記事づくりにAIを使うことがほぼ欠かせません。使ったほうが便利なので、SEOをきっかけに社内でAIを使い始めると、その使い方がほかの業務フローにも広がっていきます。
SEOの成果だけでなく、社内にAIが根づいていく未来まで一緒に描いたほうが、会社としては最終的にレバレッジが効く。経営者の方には、そうした意思決定ができるよう材料をお渡しするようにしています。
記事制作費は「外注費」で考えなくてよい:社内でAIを使って書く選択肢
オウンドメディアの費用対効果を考えるとき、多くの企業は「記事を外注すると1本いくらかかるか」を出発点にします。費用の目安はSEO対策の費用相場にまとめていますが、そもそも記事を外注する前提でよいのかは、一度立ち止まって考える価値があります。
Yutori Techは、記事の制作そのものを請け負うことはしていません。お客様に記事の作り方をお伝えし、社内の人手不足を解消するために、GeminiなどのAIを使ったライティングの業務フロー(チェーンプロンプト:AIとやり取りを重ねて記事を仕上げる進め方)を、お客様の社内に作るお手伝いをしています。
今は、記事の制作を外部にお金を払って頼むよりも、自分たちでAIを使って書くほうがよいと考えています。人同士でやり取りして外部に記事を書いてもらうより、AIとやり取りして記事を書かせるほうが、結果としてスムーズで、細かい注文も出しやすいからです。
外注先に「ここをもう少し詳しく」と頼むと、やり取りだけで何日もかかることがあるでしょう?AIなら、その場で何度でも直せるのよ。
外注と内製の分担をどう決めるかは、オウンドメディアの外注はどこまで任せる?社内に残す作業と失敗しない分担のコツで分担表にまとめています。
「ニッチだから」「BtoBだから」は撤退の理由にならない
現場でよく聞くのが、「検索ボリュームが少ないから」「市場がニッチだから」「BtoBだから」SEOは合わない、という声です。しかし、弊社はそうは考えていません。
ビジネスが成り立っている以上、その業界には必ずお客様がいます。検索する人の数は少なくても、1件ごとの単価は業界によって大きく違います。大切なのは、そのお客様がニッチな言葉で検索したときに、自社のページが確実に上位に表示されているかどうかです。
実際に、人材サービスを手がける株式会社ベルーフ様では、取り組み開始から1〜2か月目は問い合わせがそれほど多くありませんでしたが、3〜4か月目から明らかに増え、SEO経由の問い合わせから2社の新規契約につながりました。
【人材サービス・BtoB】株式会社ベルーフ様
取り組み開始から3〜4か月目に問い合わせが明らかに増え、SEO経由の問い合わせから2社の新規契約を獲得されました。
法人向けのSEOの進め方は、BtoBのSEO対策で詳しく解説しています。
SEOへの投資を縮小・撤退したほうがよいケース
一方で、SEOにさらにコストをかけることが合理的でないケースもあります。弊社が撤退を考えたほうがよいと判断するのは、次のような状態です。
- 業界のリーディングカンパニーとして市場を独占できている
- 市場で一定の認知をすでに獲得している
- 狙う言葉で、すでに自社が検索にヒットしている
こうした状態から、さらにSEOにリソースとコストをかけても、新たに得られるものは限られます。この場合は、縮小や撤退を検討したほうがよいと考えています。
裏を返せば、「まだ自社を知らないお客様に見つけてもらう必要がある」企業にとっては、オウンドメディアは費用対効果を見込みやすい施策だといえます。
よくあるご質問
オウンドメディアの費用対効果は、何を見れば判断できますか?
経営判断に使うなら、問い合わせ件数、受注率、受注件数、平均単価と粗利を順につなげ、最終的に投資額を上回る利益が残るか(ROI)で判断するのが分かりやすい方法です。CTRやCVRなどの細かい指標は、現場で記事を改善するときに使います。
検索ボリュームが少ない業界でも、オウンドメディアは効果がありますか?
あります。検索する人が少なくても、ビジネスが成り立っている以上その業界にはお客様がいて、1件ごとの単価も業界によって違います。そのお客様がニッチな言葉で検索したときに、自社のページが上位に表示されているかが重要です。
記事は外注したほうが費用対効果は高いですか?
弊社は、今は外部にお金を払って記事を頼むより、社内でAIを使って書くほうがよいと考えています。AIとのやり取りのほうが、外部とのやり取りよりスムーズで、細かい修正も頼みやすいためです。ただし、社内に一次情報を出す人と、公開前に内容を確認する人は必要です。
オウンドメディアをやめたほうがよいのは、どんな場合ですか?
業界のリーディングカンパニーとして市場を独占できている、市場で一定の認知をすでに獲得している、狙う言葉ですでに検索にヒットしている、といった場合は、さらにSEOにコストをかけるのは合理的でないことがあります。その場合は縮小や撤退を検討する余地があります。
まとめ:費用対効果は「受注と利益」まで、AI活用の広がりまで含めて見る
オウンドメディアの費用対効果は、検索の指標だけを並べても経営者には伝わりません。問い合わせから受注、粗利、ROIまでをつなげ、そのうえで数字に出にくい効果まで含めて判断することが大切です。
- 現場はCTR・CVR・検索ボリューム、経営者は受注件数と利益で見る
- 計算は「問い合わせ件数 × 受注率 × 平均単価 × 粗利率」を投資額と比べる
- SEOで使い始めたAIがほかの業務に広がる、副次的な効果もある
- 記事は外注せず、社内でAIを使って書く選択肢がある
- 撤退を考えるのは、市場を独占している・すでに検索にヒットしているなどの場合
Yutori Techでは、記事を代わりに書くのではなく、貴社の社内でAIを使って記事を作り、成果を自分たちで判断できる体制づくりを支援しています。費用対効果の説明に悩んでいる段階から、一緒に数字を整理していけます。







